どうなってるのやら

あゆぽっぽ。あゆぽっぽ牛乳。

すみだのおおかみ

 古くても色あせない、無敵のNTLGをぶら下げて墨田区に君臨?するtype-labo。 スカイツリーのある世界の一角より、書体orデザイナーの辿るべき運命を静かに見つめるタイプラボ。 現在は小口でも大口でも気軽に買えるよう?、ネット通販代行業さん経由で製品を売っておられます。

 筆者がルイカ12345と、NTLGv2ルイカ12345を買ったときの価格は税抜2,080円/ウェイト。 ルイカは総合書体(※かなカナ漢字記号英数全部入り)なので、複数ウェイトの詰め合わせとはいえ真顔で破格級でした。 その後type-laboによれば値上げしていたとのことですが、それでもウェイト3.2kだったはずなので.. まぁ「SELECT PACK PLUS」くらいのウェイト単価になります。 両肩をすくめるくらいのハイC/Pでありました。

 ありました。

 ところが最近、同社が提携していた販売会社で不祥事があったとの知らせ。 これに伴い、タイプラボ製品もpixiv系(!)販売サイトへ引っ越すこととなりました。 予想できない展開じゃありません。 しかし異様なデザイン力とサバイバル力を併せ持つ、yutanpon工房の採った行動は一味違いました..

 ..「ふたたび値下げします。 こんどはウェイト2,000円です」
 ......!!???

 まさかのタイミングで、ウェイト2k級へ戻すというのです。 なにもかも高い[目に見えないコストだって高い]ご時世、type-laboは静かに『高くしない』方へスティックを倒しました。 ルイカと双璧をなすべき?丸ゴシックもデザイン中の身、決して「寝てればお金が入る」立場じゃないはず(※日本語書体は大まじめに作ると無限のコストが..)なのでコレは英断と言えるでしょう。

 佐藤さんの作品はなんというか..好みうんたんを口に出すより前にキレイだと思うのです。 キレイな割に価格はリーズナブル、一方本人のソーシャルアカウントからはユーザをあからさまに疑うような発言が突然飛び出したりします。 「高価だけど静かに構えている」大手とは全く違うこのアプローチ、大手の傘に呑まれてしまわない生き方を常に模索してきた個人事務所ならでは?のフットワークなのでしょうね.. 結果として呑まれずにpixivデビュー(違)へこぎつけました!

 筆者はプライベートな知り合いじゃないですが、必ずしも佐藤さんと波長がきっちり合うタイプではないだろうと一人で勝手に考えます。 しかし売られている書体の強烈な美的創作性(※)を考えると、生まれ出たタイプフェイスは作者がお亡くなりになろうと、作者の存在を意識しない人が手に取ろうと、鈍くてまばゆい光を放ち続けるでしょう。 あゆぽっぽはそんな考えなので、同社の書体は作者の諸元に関わらずリスペクトします。

 ルイカ6とか、持ってないウェイトに課金する日がやってきたのかもしれません。 新作の丸ゴシックとやらも、かなカナのデザインが見えてきたら考えたいと思います..

 

 (※)極東島国の法曹によれば、書体に美的創作性はないんですってね。ぁ~ぁ