どうなってるのやら

あゆぽっぽ。あゆぽっぽ牛乳。

かな漢字変換とユーザーの分断と賢い日本語 [II]

(b) 用語の分断

 前項のように、ワープロ専用機の末期では長文変換効率を重視してAI変換(/用例支援)なるものが導入されました。 nec98にも渡ってきましたがフロッピーの容量に阻まれ巨大な辞書は積めず、いちどに数文節を入力しても期待通りの変換結果にならないシロモノでした。

 ..AI変換の概念を載せ、ネーミングにもAIと書かれたパソコン用漢字変換はnecai.sysだけでした。 この結果、「AI変換?ねかいsys?ぁぁバカだよね」といった五月雨悪評が醸成され、AI変換はパソコンの世界に限り印象の悪い漢字変換の代名詞となったのです

 DOS時代の末期に登場したのが、ワープロ専用機に負けない辞書を積み、専用機に近い感覚での漢字変換にも耐えられるatok8。 当時の紙カタログをさぐると、ものすごく小さい文字で申し訳程度に(AI変換)と書かれています。 ジャストシステムといえど、専用機と同じキャッチは使えなかったのですね

 [b1] パソコン上がりのユーザー的に、AI変換は「necai.sys」「バカ」を表す
 [b2] ワープロ専用機出身者的には、長文一括変換に耐えられる熟成期のフィーチャーを指す
 [b3] atok8は辞書サイズを含め、専用機で期待されるAI変換を実現した
 [b4] そんなatok8も、大きな文字ではカタログにAIと書けなかった

 

 ※続きます