どうなってるのやら

あゆぽっぽ。あゆぽっぽ牛乳。

古代のマシンとminor railの呪い

 格安ジャンクpc部材を集めては動画のネタにする某チャンネル(※ゆっくりトークが上手で飽きない)を見ていました。 そこでは雑にsocket370moboを持ってきて、tualatin対応なmchなのかを確認せずにPentiumIII-S[1400MHz/512]を試すという雑な実験が繰り広げられていました。 けっきょく当該マザーはtualatin対応だったのですが、主さんの用意した石ではブートせずに、coppermineせろりんへ戻してもマザーは沈黙したまんま。 本当にmoboが壊れてしまったのかはともかく、動画主さんが大量のベイ埋めデバイス(fdd,odd,メモカリーダー)を並べていたので、少し電源のことを思いだしました。

 pcを恒常的に動かす以上、おそかれ早かれ壊れてしまう部材としてはpsuがあります。 むしろ壊れる前に交換を考える部品でもあり、多少なりともヴィンテージに近いマシンを走らせているなら超なおさらでしょう。 PentiumIIIベースの個体は基本的にatx革命が終わったあとの製品なので、物理的なコネクタの形状としては(24pinを20+4に分割できる限り)問題ありません。

 実際の動作可否としては、どうでしょうか。

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 これがintelベースかつPentium4以上なら割と楽勝パターンです。 なぜなら田の字コネクタが存在する以上、cpu給電を12vへ割りふる思想になっていることが明らかだからです。 そういった12v偏重規格?は現代のマシンと共通しており、つまるところ現代の電源を用意すれば期待どおりに動く可能性が高いだけです。 予算と好みで選べばよいのではないでしょうか。

 PentiumIII以下なら話が違います。 それなりの電力を持っていくcpuが5vなrailを使います。 tualatinなら多めに見積もっても40wは持っていかないと思われるため、cpuだけならマージン込で8Aを見積もればよさそうです.. ..しかし2000年のマシンを再現するかのごとく周辺装置をあれこれ積むことで、5v/3.3v両railが圧迫されることになり、現代の電源を使うとpsuが悲鳴を上げてしまうことがあるようです

 ..tualatin用に高すぎない新品のpsuを用意するとして、たとえばcorsair製cx550mなら「3.3v:20A, 5v:20A, combined:120w」です。 これらは古代の300w電源に満たない値で、mobo+cpu+ram+αくらいなら十分耐えそうに思いますがドライブベイやpciを埋めていくと120w上限が怪しくなりそうです。 なおtualatin-512は二発駆動環境[2xSocket370]で使われることがあり、この場合は純粋な5vだけでも圧迫の可能性が大きく上がるでしょう。 同じC社のhx1000[2017]でも「25A, 25A, 150w」程度なので、しょうじき極端には改善しません。 それぞれoverCurrentProtectionは30A超あたりに設定されているようですが、そんな数字ぎりぎりで使うのも間違ってる気はします.. だいたいhx1000って$200以上します。。

 リード文に書いた某ジャンク道楽チャンネルでは、tualatinシングル環境でブートに失敗したのち、coppermineへ戻しても正常に立ち上がりませんでした。 しかし使われていたpsuは決して現代の仕様ではなく、3.3v+5vで170wが確保されており、へたすればhx1000よりも余裕があります(!)。 電源容量まずかった説を掲げるには無理がありますね..

 というわけで、まとめます:

 (a) PentiumIII以前のマシンを、現代のpsuで走らせるのは3.3v/5v出力上限の点で多少鬼門
 (b) Pentium4以降は12v偏重主義が浸透しており、昨今のpsuとマッチしている