どうなってるのやら

あゆぽっぽ。あゆぽっぽ牛乳。

psu容量2.0倍教の呪い

 事情により、パソコン内部の電源装置は4年に一度買いかえています。

 かれこれ15年、「dcOutputの概算は巷の計算機を使う」「budget電源なら2倍の容量を選ぶ」「それなり以上電源なら1.5倍」としていました。 安電源的な経験則として、hecの名目700wなpsuをivyBridge/gtx1050の機体で9年回して普通に生きていた事例を見たことがあります。 1.5倍コースが正しいのかは知りませんが、outervisionでは多少のマージン(50w?)redditでは3割マシ説などを見かけたような覚えがあるので、言うほど余裕のないチョイスではないはずです。 ちなみにpcBuildingSimulatorではマージンゼロが許容されます。 興味深いです。

 ともあれ大前提として、「最大連続出力の半分で効率が最大になる。だから2.0倍が理想」説は無条件に間違っています。 なぜなら:

 (a) 現代のcpu/gpuは、ヒマしている場合の消費電力がピークの10分の1以下へ落ちる
 (b) 効率の違いで浮く電気代が、psuの価格差を乗りこえる可能性は極めて低い
 (c) 変換効率が最も最大になる点は、カタログ負荷の40%程度

 ▲といった事情があるからです。

 (a)はワットメーターでもソフトウェア読みでも簡単に観測できると思いますが、つまるところ「一定の負荷がコンスタントに続く」目的のマシンでない限り、40%だの50%だのに合わせて電源を選ぶ意味が消えてしまいます。 たとえば「これが自分の母艦pc、ゲームもレンダリングもアプリビルドにも使えてネットめぐりもしています!」的なシナリオだとdc出力が乱高下するのは明白で、ソースコード書き中やネット巡回中の消費電力なんて30%に達するとさえ思えません。 雑用兼用マシンで効率を優先するなら、むしろ10~20%以下の実測値を把握してpsuを選ぶべきです。 最大負荷を基準にする理由は薄いです。

 (b)ですが、仮に「使用電力平均100w, 8h/日, 5年使用」で計算するなら効率差10%につき電気代差1万円にしかなりません。 もし50wなら差は半減する上、このような低消費電力での効率はpsuの認定バッジ(goldとかtitaniumとか)に追従しづらい傾向?らしく、やはり『効率のために大枚はたいて大容量品/上位品を買う』理由は薄いです

 (c)については、tpu/tom'sでの実測値を見れば明らかな話です。 しかし30%/50%での効率も40%に次ぐレベルで高く、まぁ50%に合わせることで大きく効率を失う話じゃありません。

 雑多な目的で用意されたマシンに高効率電源を積む場合、電源内部での発熱量を減らす意義の方が大きいであろうと思いますpsuファンが回りにくくなるor電源自体が長持ちする?効果はあるかもしれません。

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 次に「ピークを考えると2.0倍」説はどうでしょう。 確かに現代のgpuなどは、公称消費電力を瞬間的に超えてくることがあるのもわかります。 しかし市場に存在している大半のpsuは、ocp/opp発動前マージンとして2割以上を見込んである(スーフラの一部モデルは知りません)ため、たとえば名目750wなら瞬間900wあたりまで一応耐えることになります。 dc出力要求500wのマシンに対し1.5倍量なpsu[750w]を充てると、安全機構が働く値として900w以上の環境になりますが.. これで十分ではないでしょうか。 ケチってpsu650wを選んでも、780wまではプロテクションが動かないであろうことから不安定事象が頻発するとは考えにくいです.. さきにも書いたように、現代のredditor勢は1.3倍、某皮算用は1.25~1.42倍を挙げています。

 皮算用より新しいオンライン計算機が1.5倍を最低限と設定し、1.8倍をデフォルト/おすすめとしている点は相当ミスリーディングでしょう