かな漢字変換とユーザーの分断と賢い日本語 [IV]
(d) まとめ
atokは先に述べたように、ワープロ専用機風の超連文節変換を実用レベルに押しあげた唯一の存在です。 しかしwindows全盛時代、そんなatokも「OS標準IME」の前には苦戦を強いられます。 「さんばがさんばをおどる」などというのは格助詞検出+隣接語の係り受けさえ検出できれば一発で正解が出そうですが、そういった簡易かつ短い例がテレビCMにまで使われたことを考えると、それだけユーザー層の漢字変換スタイルが単文節寄りであったのだろうと筆者は思います。 このような状況下でatokが本領を発揮するのは、やはり長文一括変換の習慣が育ったユーザーに使われたときに限ってしまうわけです。 ひたすら文章を紡ぐ現代の入力専用機(pomera)に、atokが載っているのは妥当なベストマッチではないでしょうか。
(i) atokが標榜していた「賢い日本語」というのは、
(ii) ある程度長い文を変換した際の変換精度 を指しているが、
(iii)長文一括変換の習慣が育っていないユーザーが相当割合存在するため、
(iv) 届かない人には届かない