どうなってるのやら

あゆぽっぽ。あゆぽっぽ牛乳。

Don't Marry Her

 90年代半ばころの曲だと思います。 cambridgeの現地ラジオを聞いてて、なんか耳に入ってきました。

 とくべつな色味を洗い流すかのようなC調で歌いあげる一曲。 曲調にふさわしく、心洗われるような歌詞..じゃありません。 むしろ涙がぼろぼろ出ます。。

  → https://www.azlyrics.com/lyrics/beautifulsouth/dontmarryher.html

 この歌には(歌詞として)マイナーバージョン違いがあるようですが、文脈はちっとも変わりません。 女性とおぼしき主人公が、想い人に「あんなのと結婚するのはやめて自分にしな?」と語る歌です。 歌詞のみから想像するに、「あんなの」はデキのいいエリートらしく、教養/生活力ともに抜け目なさそうです。 主人公は3分以上にわたり、「あんなの」と古典的な家庭をきりもりすることで想い人がどれだけ不幸になるのか、延々そればかり語りつづけます.. 場面転換や、心境の変化といった要素はありません。

 ひとまずシングルカット前の詞が本来の内容らしいので、そちらを引き合いに出します。 何度も出てくる「don't marry her, fuck me」といった表現から筆者が想像するシナリオは二つ:

 (a) 主人公は「あんなの」に比べ、結婚相手としての格式的におよばず「結婚するなら自分にしなよ」と言えない
 (b) 主人公の考えとして、想い人に「結婚→家庭」的な枠組みなんて向かないと思っており、暗に「結婚だのなんだの、(かたくるしいことは)考えなくていい」と伝えようとしている

↑いずれにせよ「me instead」的な表現じゃなく、marryではない別の動詞を明示的に選んでいることから、単純に結婚相手候補として横並びに争うスタンスではないことが見て取れます。 『結婚することを前提にするなら』自分にしな?」とは言ってないわけですね。 「herでなくme」と同時に、「marryじゃなくfuck」といった点には意味があると筆者は考えています。 とりあえずシナリオ(a)なら主人公は自身の身分をよく理解しており、シナリオ(b)なら想い人の性格を痛いほど理解しているのでしょう。 ほっっっんとに好きなんですね。

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 つむげる言葉を全てぶつけても、どうにもなんないことだってあります。 だめな時はだめなんです。 この歌の主人公に、それがわかっていないとも正直思えません。 むしろ主人公には言葉しか残っておらず、もう背水の陣なのかもしれません。

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 youtubeに転がっていたシングル版pvに、こんなコメントがありました:

  "結婚せまる元彼の前でコレ歌いました。
   元彼は結婚したのち離婚し、数年後私と再会を果たせました。"

↑「ハッピーエンド」とのレスがありました。 どなたか知りませんが本当によかったです..