どうなってるのやら

あゆぽっぽ。あゆぽっぽ牛乳。

Crysis 2 Remastered

 発売されてしばらく時間が経ちました。 C1Rを持っている人はtrilogyとして買うことができず、C2R/C3Rを単独購入すると計$60になってしまう罰ゲームが実装されています。 crytekはヘンだと思わないのでしょうか。。


 オリジナルのC2/C3はpc/コンシューマ版が同時に作られていた作品なので、C1Rほどヒネリの入った事情はありません。 コンシューマ版特有の不具合や欠点をpcへ逆輸入するような文脈は少ないだろうと思います。 ビジュアル面ではpc版のみレイトレーシングを活用したことになっていますが、やはりというかなんというか「なんともいえない見た目になった」的な感想が散見されます..

 レイトレとやらは『これまで民生用のゲーム環境ではリアルタイムに計算しきれなかったものが、できるようになった』何かなので、結果として得られる絵は光の正確な挙動を反映したものとなります。 あくまで「正確」というのがポイントで、こういった計算には人の目や脳が映像に対し自動で付加する補正が含まれません。 つまり計算上のリアリティ即EyeCandyというわけじゃないのです

 ..やはりというかなんというか、現状の開発現場はこういった無意識な脳内補正?の存在を考慮する様子がなく、「暗くあるべき場所は暗い、明るくあるべき場所は明るい、反射するべき部位は反射、すべてがリアル」としか言いません。 これまで気軽に扱えなかった光の計算性能(とかAPI)が手に入った以上、そういったトレンドに乗った結果を引き出すことは重要だろうと考えられますが.. 見ている人が思わずうなづくような絵作りを目指して'shaderによるフェイク'を練ってきた際の経験則を全部ほうり投げてしまったような印象もあります。

 特に「物理的にはウソだけどeyeCandy度の高かった作品」にremasteredの札を貼りつけ、おまけにRTをフィーチャーとして押しだすような作品はビジュアルに対する意見が分かれそうに思います。 crysis2remasteredは実際そういった状況にあります。 オリジナルのC2に比べ圧倒的によくなったと言いきる方々は「現実の見え方に物理的な意味で近い」ことばかりヨイショを繰り返し、逆にオリジナルの方がよいと感じる人は感性のおもむくまま「OG looks better」的な表現でremasteredの価値に疑問の声を上げます。 限られた尺・リソースでプレーヤーに強い印象を与える用のビジュアルを創るにあたって、限りなく正しい計算結果が最適な脳内麻薬をもたらす保証はどこにもないはずです。 もちろん視線を下に向けただけで消えるRLR(SSR)ってどうなの?とか言われたら、一過性の妥協策であることは否定できませんが。。

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 フレームの描画に大きな時間を割ける(かもしれない)オフラインCG映画の世界はどうなのでしょうか。 物理的な正確さが人の心をつかめないと判断された場合、なにかしらの補正を真剣に考えたりしないのでしょうか。 そういった積み上げはないのでしょうか。 だいたい正確な画だけが正解正義だというなら、世の中トゥーンレンダリングやCGアニメ映画は真っ先に指をさされると思うのですが、そうじゃない現実はどう説明されるのでしょうか?