どうなってるのやら

あゆぽっぽ。あゆぽっぽ牛乳。

ふくろう冷却本舗的性能指標の解

 https://aypppo.hatenadiary.jp/entry/2022/01/24/102423

 ▲nh-d9lをalderLake上位品で使用する際の冷却性能目安について、筆者は以前「12700は12700kより厳しいと判定される」「12700無印と12900無印とで全く同じ判定が出る」ことから、『無印12700での目安表示は本来の値じゃないのでは』と予想していました。 本日[20220209]眺めてみると、12700での性能指標は12700kに近い(少なくとも12900とは明確に違う)ものへ差し替えられており、ひとまず穏当な結果に収まったと言えるのではないでしょうか。

 ▲個人的にはぜひ、alderlakeの下位版とnh-d9lを横置きケースへ入れたいのですが.. ..小さいことが売りのd9lとはいえ、天板が思ったとおり閉まるのかどうか。 samuel17も悪くはなかったものの、販売元が活動していないぽくてlga1700には適応できなさそうです。。

ふくろう冷却本舗的性能指標の怪

 個人的に、noctuaの茶羽は好きなほうです。 どちらかといえばプロペラの形状そのものを見ていることが多いので、安いreduxにも魅力を感じます。 chromaxは高いという考えです。 industrialは一点だけ持っていたような。。

 好きなのはいいのですが、なんとなく公式のcpuシンク適合表を眺めて首をかしげました。 無印nh-d9lを使用する場合、無印12700では「medium turbo/overclocking headroom」扱いで、12700kだと「best..」となっています。 N社の考えるheadroomがどれだけの温度マージンを前提にしているのかは判りませんが、最も甘そうな条件設定(deltaToTjMaxがゼロにならないギリギリ)で考えるならk無k付ともに上限クロック近くへ到達できそうです。

 しかし12700/12700k両者とも『nh-d9lにて全コア負荷上限クロックへ届く』とすれば、どちらもtb余裕幅は満点にならないんでしょうか。 k型番にかぎり一応クロック上限を超えられるアドバンテージ?は備わってますが、non-kを使用して4.5GHzへ届くならheadroomに不足はないように思えます。 この文脈で考えるかぎり、non-k版だけ「medium」判定が出てくる理由はみあたりません..

 ..noctua社の判定基準が厳しめだとして、12700/12700kともに一定以下のクロックしか出ないとします。 たとえば両者とも4.3GHzが限度と仮定します。 公開されている両モデルのbaseFrequencyから、実効TB幅(仮名)を見積もるなら次のようになります:

 nh-d9l w/ 12700k : baseFreq=3.60GHz, allCoreTB=4.7GHz, 実効値4.3GHz, 実効幅 7/11bin
 nh-d9l w/ 12700  : baseFreq=2.10GHz, allCoreTB=4.5GHz, 実効値4.3GHz, 実効幅22/24bin

▲なんというか、「7/11」と「22/24」なら後者のほうが優秀とも読めてしまい、noctua.at公式で無印だけ「medium」判定になる根拠としては説得力に欠けそうです。 目に見えない基準・補正らしきモノがあるのか、今年になって評価基準に改訂が入ったのか、担当者様がヒューマンエラー的なミスをしているだけなのか筆者にはわかりません..

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 上の公式パフォーマンス表、1270012900とで比べると全クーラーで同一の性能指標が載っているもよう.. どうも無印12700の値はまちがっているか、実はplaceholderなのかどっちかじゃないでしょうか。。

ふくろう冷却本舗的風量の怪

 個人的に、noctuaの茶羽は好きなほうです。 なんていうか、純白よりベージュ色の家電が席巻していたころの懐かしさを感じます。

 好きなのはいいのですが、先日r/noctuaを読んでいて目線が留まりました。 「ケースファン目的なら、nf-a12x25じゃなくnf-s12aを選ぶところではないか」的な書きこみがあり、投稿者は自分の考えにかなり自信があるもよう。 確かにnoctua自身が提供しているairflowとstaticPressureの対比グラフを参照するかぎり、s12aは静圧を犠牲にしながら風量を伸ばすことができると読めます。 また両ファンのスペック上、a12x25は最大の2000rpmで回してもairflowの面でs12aに及ばないと解釈できます。

 ..個人的に吹き出物が植えてあるような羽のs12aは好きじゃありません。 しかし先代のs12b・そして灰色のreduxあたりは似た特性を持っているはずで、こちらがairflowの値的に優位なら大喜びで調達してしまいそうです。

 しかし。

 自前の固定スタンドにファンを取りつけ風量(/騒音etc)を測定しているdvtests.comによると:

  * s12b.reduxは、全速時で  : 実測116.16cm^3/h, 1230rpm, "very tiny noise"
  * a12x25  は、9v駆動で  : 実測100.32cm^3/h, 1650rpm, "without generating any noise at all"
  * a12x25  は、12v駆動で : 実測127.68cm^3/h, 2055rpm, "started generating a tiny noise"

 ↑このように書かれており、「a12x25は1800rpmを超えるあたりでようやく風切り音らしきものが聞こえてくる」とさえあります。 そういった速度に固定して使うなら、全速のs12b(redux)との風量差は相当量ちぢまると思うのですが実際はどうなのでしょうか。 手元の茶色s12bは24h稼働機で回りつづけており、redux版を衝動買いする予定が立たないかぎり実験できないのがもどかしいです..

ふくろう冷却本舗的足場の怪

 個人的に、noctuaの茶羽は好きなほうです。 なんていうか、1980年代?のシステムキッチンを思わせる懐かしさを感じます。

 好きなのはいいのですが、先日lga1700にnh-u12sを載せようとして両目が丸くなりました。 用意した固定金具と、シンク側の構成部品とでネジ孔の位置が合いません。 78mm/83mmを取り違えたのかと思いましたが、まぎれもなくu12sなので78mmの金具でよかったはずです。

 ..あらためてnoctua.atの解説を眺めてみると、固定ネジ孔間隔=78mmピッチの製品はヒートシンクに棒状の部品が一本備えられていることになっています。 一方83mmピッチのモデルはシンク両側にC/D字型の金具が止まっているそうなのですが、手元の個体はnh-u12sなのに83mmピッチ金具が二つ。 なぜそうなっているのか一瞬悩みました。 使っていたマザーボード側には、自分の思ったとおり×字型の金具が貼りついています。 古いマウントキットですが、少なくともlga1156対応と刻印されており、実際にcoffeeLake[lga1200]で不都合はなかったはず.. ..あ。。

 noctuaでいう「×字型の金具」(nm-i3)は名目上lga775/1366/1156をターゲットにした製品で、現在は775or1366のオーナーでないと無料でもらえない[※購入は可]規定だそうです。 コレにはシンク両側に取りつけるツーピースタイプの固定具が含まれており、もともと固定ネジ孔78mmピッチのシンクであってもnm-i3時は83mmになってしまうのでした。

Alder Lake / 某i7-12700k / ホットコーヒー卒業の巻

 alderLakeもnon-k版が出てきてハイc/p感あふれる季節柄、年あけてようやく組み付けることができました。

 efficientCore無効、shortDurationPowerLimit=144W、longDurationPL=144W、冷却器には手持ちのnh-u12s,nf-a12x25を使用。 avxを呼ばない時代のprime95(25.x/26.x)にて、少なくともdeltaToTjmaxは10度以上キープできているようです。 全コア負荷時の倍率既定値は47、実際には46か45を一番見たような気がします。

 △このcpuシンクはnoctua.at公式にて「Best turbo/overclocking headroom」とありますが、上記の消費電力制限で45-46倍に落ち着くことから、47倍を常時全開できる電力設定だと温度的にギリギリまでいきそうな雰囲気です。 同じく「Best..」扱いなnh-u9sあたりを持ってくると、一体どれだけのクロックで安定するのでしょうか?興味はつきません。 予算はつきそうです。

 △今回のalderLakeはコア単位の性能が高いらしく、多少クラシックなアプリケーションを含めた底上げが期待できることから、極端にクロックがひっこむような冷却器は避けたほうがよいと筆者は考えます。 もっとも筐体容積/cpuシンク体積がほどほどに用意されていれば4.4GHzを割る状況は考えにくい上、performanceCoreの数が少なければ[6以下]放熱要求は和らぐことから、現実的には12700/12900を扱う人のみ多少注意を払えば問題なさそうですね.. 12600以下はカジュアルに組めて満足できる枠じゃないかと思います。

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 ..とりあえず万全安定動作で47xを狙うなら大きめの冷却デバイスは避けられず、46xでよければk型番を選ぶ必要は薄そうな気はします。 なお低負荷側(コア数ロードの低い側)での倍率だけを49xオーバーへ上げようとすると、思いのほか電圧盛りがキツくてcpu温度乱高下症候群が激しくなります.. 2022/1現在、12700kと12700無印とで市価に大差ないのはそのためでしょうか。

Crysis 2 Remastered

 発売されてしばらく時間が経ちました。 C1Rを持っている人はtrilogyとして買うことができず、C2R/C3Rを単独購入すると計$60になってしまう罰ゲームが実装されています。 crytekはヘンだと思わないのでしょうか。。


 オリジナルのC2/C3はpc/コンシューマ版が同時に作られていた作品なので、C1Rほどヒネリの入った事情はありません。 コンシューマ版特有の不具合や欠点をpcへ逆輸入するような文脈は少ないだろうと思います。 ビジュアル面ではpc版のみレイトレーシングを活用したことになっていますが、やはりというかなんというか「なんともいえない見た目になった」的な感想が散見されます..

 レイトレとやらは『これまで民生用のゲーム環境ではリアルタイムに計算しきれなかったものが、できるようになった』何かなので、結果として得られる絵は光の正確な挙動を反映したものとなります。 あくまで「正確」というのがポイントで、こういった計算には人の目や脳が映像に対し自動で付加する補正が含まれません。 つまり計算上のリアリティ即EyeCandyというわけじゃないのです

 ..やはりというかなんというか、現状の開発現場はこういった無意識な脳内補正?の存在を考慮する様子がなく、「暗くあるべき場所は暗い、明るくあるべき場所は明るい、反射するべき部位は反射、すべてがリアル」としか言いません。 これまで気軽に扱えなかった光の計算性能(とかAPI)が手に入った以上、そういったトレンドに乗った結果を引き出すことは重要だろうと考えられますが.. 見ている人が思わずうなづくような絵作りを目指して'shaderによるフェイク'を練ってきた際の経験則を全部ほうり投げてしまったような印象もあります。

 特に「物理的にはウソだけどeyeCandy度の高かった作品」にremasteredの札を貼りつけ、おまけにRTをフィーチャーとして押しだすような作品はビジュアルに対する意見が分かれそうに思います。 crysis2remasteredは実際そういった状況にあります。 オリジナルのC2に比べ圧倒的によくなったと言いきる方々は「現実の見え方に物理的な意味で近い」ことばかりヨイショを繰り返し、逆にオリジナルの方がよいと感じる人は感性のおもむくまま「OG looks better」的な表現でremasteredの価値に疑問の声を上げます。 限られた尺・リソースでプレーヤーに強い印象を与える用のビジュアルを創るにあたって、限りなく正しい計算結果が最適な脳内麻薬をもたらす保証はどこにもないはずです。 もちろん視線を下に向けただけで消えるRLR(SSR)ってどうなの?とか言われたら、一過性の妥協策であることは否定できませんが。。

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 フレームの描画に大きな時間を割ける(かもしれない)オフラインCG映画の世界はどうなのでしょうか。 物理的な正確さが人の心をつかめないと判断された場合、なにかしらの補正を真剣に考えたりしないのでしょうか。 そういった積み上げはないのでしょうか。 だいたい正確な画だけが正解正義だというなら、世の中トゥーンレンダリングやCGアニメ映画は真っ先に指をさされると思うのですが、そうじゃない現実はどう説明されるのでしょうか?

Don't Marry Her

 90年代半ばころの曲だと思います。 cambridgeの現地ラジオを聞いてて、なんか耳に入ってきました。

 とくべつな色味を洗い流すかのようなC調で歌いあげる一曲。 曲調にふさわしく、心洗われるような歌詞..じゃありません。 むしろ涙がぼろぼろ出ます。。

  → https://www.azlyrics.com/lyrics/beautifulsouth/dontmarryher.html

 この歌には(歌詞として)マイナーバージョン違いがあるようですが、文脈はちっとも変わりません。 女性とおぼしき主人公が、想い人に「あんなのと結婚するのはやめて自分にしな?」と語る歌です。 歌詞のみから想像するに、「あんなの」はデキのいいエリートらしく、教養/生活力ともに抜け目なさそうです。 主人公は3分以上にわたり、「あんなの」と古典的な家庭をきりもりすることで想い人がどれだけ不幸になるのか、延々そればかり語りつづけます.. 場面転換や、心境の変化といった要素はありません。

 ひとまずシングルカット前の詞が本来の内容らしいので、そちらを引き合いに出します。 何度も出てくる「don't marry her, fuck me」といった表現から筆者が想像するシナリオは二つ:

 (a) 主人公は「あんなの」に比べ、結婚相手としての格式的におよばず「結婚するなら自分にしなよ」と言えない
 (b) 主人公の考えとして、想い人に「結婚→家庭」的な枠組みなんて向かないと思っており、暗に「結婚だのなんだの、(かたくるしいことは)考えなくていい」と伝えようとしている

↑いずれにせよ「me instead」的な表現じゃなく、marryではない別の動詞を明示的に選んでいることから、単純に結婚相手候補として横並びに争うスタンスではないことが見て取れます。 『結婚することを前提にするなら』自分にしな?」とは言ってないわけですね。 「herでなくme」と同時に、「marryじゃなくfuck」といった点には意味があると筆者は考えています。 とりあえずシナリオ(a)なら主人公は自身の身分をよく理解しており、シナリオ(b)なら想い人の性格を痛いほど理解しているのでしょう。 ほっっっんとに好きなんですね。

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 つむげる言葉を全てぶつけても、どうにもなんないことだってあります。 だめな時はだめなんです。 この歌の主人公に、それがわかっていないとも正直思えません。 むしろ主人公には言葉しか残っておらず、もう背水の陣なのかもしれません。

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 youtubeに転がっていたシングル版pvに、こんなコメントがありました:

  "結婚せまる元彼の前でコレ歌いました。
   元彼は結婚したのち離婚し、数年後私と再会を果たせました。"

↑「ハッピーエンド」とのレスがありました。 どなたか知りませんが本当によかったです..

The Way It's Meant to be.. Exempted?

 ビデオボードがらみの話です。

 https://www.pcmag.com/news/nvidia-urges-us-to-exempt-graphics-cards-from-trump-era-tariffs

 ▲ことし1月より発動したトランプ関税について、中国で製造されたグラフィックス製品への一時的な適用除外をnvidia他が求めているそうです。 確かに今の条件ではグラフィックデバイスやメインボードの大半がターゲットになりそうですし、asustekが今年初頭に値上げのごあいさつを発表した際も「vga/moboが対象になります」的な表現を使っていました。 とりあえず、まだ続いていたんですね。。

 ▲ぼんやり読んで筆者が目線をおもわず止めてしまった点は二つ。 一つは特定ベンダの特定製品が公式価格レベルで3割[$569→$749]値上がっており、その具体的数値が載っていること(小売市場でのさらなる高騰幅も掲載されてます)。 次にコンピュータ構成部品へのtrumpTariffは税率25%であること。 そんなものはじめっからないと言わんばかりの態度を取った国内提灯メディアやdiscordチャンネル等は問題外ですが、どちらにしても25%という数値のインパクトが誤差じゃすまされないことくらいは想像つきます..

白樺/表裏/うらおもて

 現状出ているalderLakeは全開駆動させた時ライバルに負けないことを主張するための商品構成となっているようで、そのためか全力で動かした際のテスト結果を基にverdictsがまとめられています。 しかしredditでは12900kの個体に明示的な電力上限を設定の上、某レンダリングベンチでスコア変動幅を観察したとおぼしき計測結果が投稿されています。

 https://www.reddit.com/r/intel/comments/qu9cdm/i912900k_at_45_w_discussion/

 ▲電力キャップを大きく下げてもベンチスコアに大差ないことは予測できる[←クロックを稼ぐための高電圧が治まる]ものの、65Wに設定しても200W時に比べ3分の2の値が確保されています。 もちろんhardwareThreadsの本数(以上)分だけsoftwareThreadsが発行される理想のシナリオに限定されますが、『電力3分の1で性能3分の2』といった視点で考えると相応のインパクトではないでしょうか。 8+8構成のまま並の消費電力に設定された石orマシンが今後出てくるなら、提灯メディア様はあらためて「実は電力効率もすごかったADL」だの騒ぎはじめる予定なのでしょう。 個人的には110-140Wあたりの間で気がねなく使いたいです。。

 ▲上記の投稿主はperformanceCoreを2基disableした状態[6+8]で、44W上限でのスコアも並べています。 200W時に比べ電力上限は22%、しかしスコアは半分強を保っており、deskTopReplacement需要に向けた製品としてalderLakeは十分な可能性を持っていそうです。 よくも悪くも、あとはソフトウェアスレッドの割当精度しだいになるのでしょうか。

GeforceRTX*0*0

 rtx2000/3000シリーズが、旧来biosで平然と動くための条件:

  * pcieインターフェース2.0以上であること
  * 該当pcのbiosが、acpi2.x相当のファンクションを一通り?備えていること

 ▲ひとまずこの二点は必須らしいです。 筆者としてx58だのg43あたりでは動いているスクリーンショットを目撃したことがあり、同じx58でもマシン本体のベンダによってブートしない事例があるようなので確度は高いと思われます。 x58は一応6c12tの石が存在するため、ひとまず動くゲーム用rigとしては一考の価値があるのかもしれません。 もちろんsb/ib以降の相場やベンチマーク次第だとは思いますが。。

BioShock Infinite

 ..とってつけたようにタイムライン分岐だの時間軸っぽい概念を導入した本作、ひとまず二周あそんだので和訳を試してみることにしました。 自分の解釈を和訳で答え合わせするプロセスではありません。 用意された和訳がfandomやredditorの解釈とかけはなれていないか、答え合わせ用のリファレンスとして役に立つのかを目視で確認するほうのプロセスです。

 さいわい、ストーリー上の重要なプロットに関わる一節が開幕直後に含まれているのでコレを使用します:

  * Robert   : Because he doesn't row.
  * Rosalind : He doesn't ROW?
  * Robert   : No, he DOESN'T row.
  * Rosalind : Ah. I see what you mean.

 ↑二人は別reality上の同一人物で、少なくとも生まれた時の性別やgivenNameはvariableのようです。 しかし二人は同じテーマを研究した結果単一のrealityに同居することができており、お互いの意見は違っていても意思疎通のスピードは十分に速く、上の会話でも相当ハイペースな早口で「I see」へたどりつきます。

 そうするとRosalindLuteceは何をseeできたのでしょうか。 あゆぽっぽが訳すならこんなふうになります(尺の長さ等は考えてません)

  * Robert 「いや、bookerは漕がないよ。 漕ぐわけがない」
  * Rosalind「漕がない理由がある? ボートも漕げない、とか?」
  * Robert 「そうじゃない、『いまここでは』『絶対に』『漕ぐはずがない』ってことさ」
  * Rosalind「ぁぁそっか、そういうことね」

 ▲プレーヤーの動かすbookerは、comstockのもくろむニューヨーク爆撃を阻止すべくlutecesの送りこむ刺客:第123弾です。 何度も何度もbookerをアシストした上の経験から、robertLuteceは「bookerは灯台行きのボート上で決して自分からオールを漕ごうとしなかった」ことをconstantとして認識しており、今回のbooker#123がボートを漕ぐ可能性もゼロだと考えています。 rosalindは「he DOESN'T row」といった表現を聞き、"今回の123号に限らず、bookerが灯台行ボートを漕がない事象は不変"というrobertの考えをくみ取る一節なのですが..

 このシーンは二周め以降で「ああなるほど!」とプレーヤーが手を打つための重要な一節です。 しかし日本語リソースではhe doesn't rowと繰り返される会話の展開を、軽いジョークの一種だと思い込んでしまったために「沈黙」だの「沈没」だの韻を踏むスチャラカ脚本。 ここを訳せないとなれば、重要なニュアンスを知らないうちに落とすor思い違いする翻訳の可能性が高く、少なくとも原語を2周3周遊んだくらいで和訳に手を出すべきではないのでしょう。

 本作に限った話ではありませんが、海外作品を理解する命綱は原語の脚本にあります。 翻訳で遊ぶなら原語レベルの予備知識を身につけた上で、クオリティを常に疑いながらプレイするのがよいと思います。 いつものことですね。

BioShock Infinite

 この作品は時間軸の分岐?みたいな概念を扱うのですが、よくあるタイムライン航行モノとは違う特徴が際だっています:

  * この世は何もかもが分岐の可能性を秘めているのではなく、変わらないこと(constants)と変わりうること(variables)がある
  * 特定の能力を持つ者が違うreality(世界線?)へ行った際、もとのrealityと行き先とを合成してしまう

 ▲「constants and variables」は、elizabethの口からも聞くことができます。 またrosalind/robert組もこれらの概念を認識しており、たとえばbookerがcolumbiaへやってきた際、特定の場所でLutecesがコイントスを試行すると必ずheadsが出ます。 本編でのbooker自身がtailsと予想することはできても、実際に投げられたコインはかならずheadsで着地するわけです。 Luteces組はすでに122回この実験を繰り返しており、ゲーム中のbookerが遭遇するのは123度めなのですがやはり結果はheads。 少なくともvariableにしては偏りすぎており、筆者としてはconstant(s)の存在をプレーヤーに伝える予告のようなミニイベントなんだろうと考えています。

 ▲ときおりtearを開いてちがうrealityへ行けるelizabethですが、このとき分岐先のタイムラインへ移動するのではなく、mergeしてしまうところにポイントがあります。 特に死亡してしまった人物が別reality上の生きてる本人と合成されてしまった場合、記憶の不協が生じたり重度障害の症状を起こす様子が見られます。 なによりvoxPopuliの革命成功タイムラインではbookerがmonumentTowerへおもむいた時点でelizabethはいなかった(→songbirdの急襲もなかった)はずなのに、以降のrealityで見るsongbirdの右目にはクラックが入っている上、くだんのtowerはゲーム開始当初のreality同様に壊れています。

 終盤にはbaptismを受けていない時点のbookerを複数のlizがsmotherして閉幕しますが、ここで水に沈められるのは見せかけ一体だけのbookerDewittです。 おそらく洗礼会場にやってきた全realityのbookerを合成したのでしょうか。 BsIに存在するcomstock総数と全elizabeth総数は一致しないはず(首を切られたannaがいます)なので、このため本編バージョンのlizが消えずに残った[burialAtSeaで活動している]のでしょうか。